本イベントの審査員をご紹介いたします。
本年度の審査委員長は、東京藝術大学 美術学部 准教授 / ジュエリー・金工作家の岩田先生です。
本年度はより一層「確かな表現力と提案性」が求められます。

審査委員長

岩田広己
岩田広己いわた ひろき

東京藝術大学 美術学部 准教授 /
ジュエリー・金工作家

メッセージ

人類がこれまで生み出してきた表現物は、生活用品から儀式、御守など呪術的・宗教的な要素や権威・物事の象徴として表現され、今日に至っており我々が生存して行くために必要な道具や、自然に対する憧憬、治病除災などの護符として物質的・精神的な支柱として存在しています。
本コンテストのアレルギーに対するテーマにおいても、外来の異物を排除するために働くという、生体にとって不可欠な生理機能である免疫反応によって起こる症状である事象について、どの様な視点と様々な切り口で問題意識を抱き新たな表現物として、これまでにない価値を生み出す場面と言えます。金属素材の製品を携える事ができない方への一助と「表現とは何か?」という根源的な立場に戻り、アレルギーという社会問題を共有することをもとに、視覚的、体感的に、観る・使う者に働きかける豊かな表現を期待します。

審査ポイント

価値観が多様化する今日、モノを表現する上で何に着目し、何を提案するか、私たちが考えもしない発想・表現を期待をしたい

■金属アレルギー対応という制約的要素であるテーマに対し、どのような着眼点を見出しているか
■独自性のある発想または造形
■確かな表現力と提案性

審査員

丸山 聰
丸山 聰まるやま そう

有限会社ソラ / SOLID OCTAGON – ソリッドオクタゴン - 代表
表参道本店と全国に10店舗以上の取扱店をもつオーダーメイド結婚指輪専門店「SORA」(ソラ) 代表取締役。SORAはジルコニウムやタンタルといったレアメタルを世界で初めて結婚指輪に使用したブランドです。

メッセージ

デザインの持つ意味や価値は時とともに刻々と変化してきた。それはアイテムや用途 素材など、形態を変えながら社会の背景や生活様式、また家族の形態などの様々なバックグランドを映す鏡でもある。
今、時代は劇的な変化の最中にある。つまりデザインの持つ旧来の価値は融解し、新たな意味が芽生える途上にある事を理解しなくてはならない。これはクリエイターにとってまたとないチャンスである。
金属アレルギーとデザインの関係も単なる素材と人体の適合性の問題だけであると捉えるのではなく、より高い視野からの理解と洞察が重要である。
今回の問題解決型コンテストは金属アレルギーというテーマを通して人と物との関わり方、さらには人と人との関わり方をより深く理解するための極めて意義のある機会であろう。

問題解決をするためには、まず問題の明確化が必須である。焦点の定まった問題抽出がなされれば答えは自ずと導き出されるものである。問題の抽出は社会の潮流の変化を洞察することそのものである。そこにこそデザインすることの意味が存在する。
時代はデザインを促し、デザインが時代を作るのだから!

審査ポイント

革新的であること、それこそ私が物づくりにおいて最も重要であると考えるものです。
金属アレルギーの視点を生かし、既存概念にとらわれない新たな発想の作品を期待しています。
■発案の新規性
■課題抽出性
■具現性
■デザイン的な驚き


春田 幸彦
春田 幸彦はるた ゆきひこ

文化学園大学 造形学部 教授 /有線七宝・金工作家

メッセージ

多様性が重視される現代は言葉の意味まで変化してきました。常識的に使用されていた言葉も価値観の変化とともに表現には慎重さが求められることがあります。金属アレルギーという言葉も本来の意味についての理解が曖昧になり不快な印象への傾斜が目立ちます。
デザインは見た目の魅力だけではなく人々の内面の浄化、取り巻く環境など社会を総合的に創造することができ、小さな閃きが世界中を輝かせる力を持っています。
暗渠のように閉じ込めてしまっても問題は流れ続けています。ただ蓋を外すだけでは転落してしまいます。本コンテストへの挑戦を機会に正しい理解を深め、斬新な提案で美しい川辺を再生し、開かれた問題の流れに寄り添い歩ける社会を構築する好機となることを願っております。

審査ポイント

新しい社会構造をトータルでデザインし、金属アレルギーという言葉に内在する負のイメージを払拭できる提案を期待しています。
■現代社会との親和性
■常識の破壊と再構築
■美の新しい解釈
■創造の冒険と挑戦
■「!」(驚き)


照井 翔登
照井 翔登てるい しょうと

株式会社CAMPFIRE
CAMPFIRE事業部
事業開発担当
中小企業アドバイザー(中小機構)
准認定ファンドレイザー(JFRA)

メッセージ

CAMPFIREはクラウドファンディングプラットフォームとして、多種多様なプロジェクトを支援しています。日本では2011年に始まった新しいサービスですが、ものづくりや事業開発においても、受注生産やテストマーケティング、販路開拓、PR広報など様々な段階や目的に応じて活用いただいています。
クラウドファンディングは、コト要素(道徳)とモノ要素(経済)のバランスが大切です。誰がどんな課題を解決するのか、どんな思いを込めているのか、そしてその商品やサービスに対する支援者さまの関わりしろをどんなリターンで提供するのか、分かりやすく伝えていくことが求められます。
今回は金属アレルギーという課題や制約がある中での商品開発や事業開発ですが、既存の当たり前に囚われず、多角的に課題や制約に向き合うことで魅力的な商品やサービスが生まれると思います。
皆様の新しく、豊かな発想を楽しみにしています。

審査ポイント

クラウドファンディングという手法を通じて、世の中に新しい商品やサービスを送り出す支援をしています。
以下の観点で審査をいたします。
■商品のコンセプト
■新規性
■実現可能性
■顧客ターゲットの明確性


内田 悦嗣
内田 悦嗣うちだ よしつぐ

城南信用金庫 企業経営サポート ものづくりコンシェルジュ
元・日本ビクター(株)(現・JVCケンウッド/株)オプティカルコンポーネント事業部 技術部長

審査ポイント

企業の技術者として、品質重視の自動車部品、健康重視の環境浄化製品の開発を担当してきました。以下の観点で審査させていただきます。

■アレルギー対策の効果
■効果の安定性(製品バラツキ、長期間使用後)
■価格
■製品の魅力(美しさ、深み、あたたかさ など)
■独創性、アイデアの面白さ
■応用性(他の製品や他の分野への応用の可能性)


菊地 香
菊地 香きくち こう

日本大学 生物資源科学部 国際地域開発学科 准教授

審査ポイント

消費者は自身が金属アレルギーであることを知らず知らずのうちに金属を身につけています。金属アレルギーを知らない人たちに優しくかつわかりやすく情報を伝えられる機能性のある製品が必要と考えています。審査のポイントは創造的な破壊となるようなもので消費者に安全な作品であることとします。

■安全な素材で作られたもの
■発案の訴求性
■ユニークかつ飽きの来ないデザイン