現在、日本の保険診療内で歯科治療を行った場合に使用される金属は、一般的に「金銀パラジウム合金」と呼ばれる合金を使用しています。歯の詰め物(インレー)や、かぶせ物(クラウン)によく使用されています。
通称「金パラ」と呼ばれ、これらはJIS規格(JIS適合品)で定められており、成分としては、金が12%、パラジウムが20%、そして銀の含有率は50%前後、銅20%前後、その他インジウムなど数%が含まれています。金とパラジウムの含有率に関しては、どちらのメーカーでも同一規格となっていますが、その他の金属の含有率はメーカーによって異なります。
正式名称は「歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金」です。
この合金は強度もあり、特に大臼歯などの奥歯の補綴物は金属のように耐久性のある素材でなければなりません。通常生活をしていて、すぐに割れたりかけてしまったら意味がないのです。
しかし、歯科用金属材料としてのパラジウム合金は、欧米などの先進国では毒性が弱いとされている事から、実は使用禁止となっているようです。
また2020年6月1日より、鋳造の純チタンが「冠治療(クラウン)」に限り、保険適用となりました。金属アレルギーの方だけではなく全ての方が対象となっています。導入している歯科医院はまだ少ないようです。
チタン(Ti)は比較的金属アレルギーの心配がないと言われていますが、それでも金属アレルギーのリスクはゼロではありません。近年チタン(Ti)にも金属アレルギー反応を示す事がある、という報告があります。