2020年9月1日より「CAD/CAM冠 適応範囲拡大」について

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「前歯」もCAD/CAM冠が保険適応

2020年9月1日よりCAD/CAM冠の適応範囲が拡大し、「前歯」も保険適用可能となりました。9月1日に厚生労働省Webサイトに掲載された内容をもとにお伝えいたします。

CAD/CAM冠ってなに?

CAD/CAM冠はハイブリットセラミックのブロックをCAD/CAMという機械で削り出し作る被せ物のこと。歯医者さんでは、青色LED3Dカメラを使用して患歯を撮影(スキャン)し、そのスキャンしたデータを元に「ブロック」とういうものを機械にて削りだして成形します。前歯にもCAD/CAM冠が適応拡大されることで、保険治療のメタルフリー化が更に加速されそうです。

なぜこの時期に改定?

現在歯科保険医療の中で『12%金銀パラジウム合金(金パラ)』の材料費だけで1000億円近い額が使われているそうです。さすがに厚生労働省はそろそろ金パラからの脱却を模索しているのだろうと想像できます。

具体的な内容

厚生労働省のサイトに改定内容のPDFがございますのでそちらを参考にしながらご説明いたします。

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000660248.pdf

P15の(2)以降から

(2)CAD/CAM冠は以下のいずれかに該当する場合に(保険)算定する。

イ: 前歯又は小臼歯に使用する場合 

⇒ 適応される部位は、「前歯」=中切歯、側切歯、犬歯となります。

ロ:上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の咬合支持がある患者に対し、過度な咬合圧が加わらない場合等において第一大臼歯に使用する場合

ハ:歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者において、大臼歯に使用する場合(医科の保険医療機関又は医科歯科併設の医療機関の医師との
連携のうえで、診療情報提供(診療情報提供料の様式に準じるもの)に基づく場合に限る。)

(3)~(4)(略)

(5) 前歯に対し、CAD/CAM冠を製作する場合において、CAD/CAM 15 冠用材料(Ⅳ)の色調を決定することを目的として、色調見本とともに当該歯 冠補綴を行う部位の口腔内写真を撮影した場合は、区分番号D010に掲げる 歯冠補綴時色調採得検査に準じて算定する。

⇒ 
・「カタナ アベンシアN」の「Ⅳ」という材料のみ適用
・CAD/CAM冠材料は(Ⅰ)~(Ⅲ)の3種類ですが、新たにCAD/CAM冠材料(Ⅳ)として新規に前歯専用の材料が導入されるようです。
・前歯専用の材料(CAD/CAMブロック)は、色にグラデーションがある

⇒ 既に出来上がっているものなので、厳密に個々の歯の色に合わせることは不可能。実際に口の中に入れたときにどれだけ色が合うか未知数なところがある。あまり目立たない部位から試しに使ってみることをお勧めします。
※色味や質感(透け感)を完璧に目指す方は、材料や色の加工をしてくれる自費で治療してください。

(6) 前歯に対し、区分番号M001に掲げる歯冠形成のうち、CAD/CAM冠 に係る費用を算定した歯又はCAD/CAM冠の歯冠形成を行うことを予定している歯で、テンポラリークラウンを用いた場合は、区分番号「M003- 2」に掲げるテンポラリークラウンに準じ、当該歯に係る処置等を開始した日から当該補綴物を装着するまでの期間において、1歯につき1回に限り算定する。

Ⅳとは前歯用の材料の事

CAD/CAM冠材料は(Ⅰ)~(Ⅲ)の3種類ですが、新たにCAD/CAM冠材料(Ⅳ)として新規に前歯専用の材料が導入されたようです。

ハイブリッドレジンブロックの特徴

ハイブリッドレジンブロックは、レジンにフィラーを配合したブロックです。2014年4月に、小臼歯の単冠を間接法で製作する場合に限り、保険適応がされるようになりました。レジンにセラミックを分散させているため、レジン単体よりも強度が上がっています。ブロックにより、配合されているセラミックの配合料や粒度が異なっています。

この治療は金属アレルギーにとって救世主か?

CADCAM治療は金属アレルギーの患者さん以外でも誰でも治療できます。しかし、「冠」というくらいなので、大量に歯を切削することが前提。メタルの倍以上削る必要があるのだそうです。そうすると、神経を取ることになったりなど色々弊害がでてきます。またそれだけではなく、患者さんの口腔内の環境、生活環境によって「外れ易い」「割れ易い」「入れた後の歯肉の状態が・・・入れた後の歯肉が腫れている・・・」などの問題も起こってくるようです。理由としては「吸湿性から来る汚れの付着」だそうです。そして、、保険を適用するのであれば、(一定期間中)再度保険を使っての再治療不可なんだそうです。「金属じゃなくて白い歯!」「高い自費治療の代わりになる!」と思っていらっしゃる方がいるようですが、そうではありません。CADCAM治療は、その部分を患者さんご本人にご理解をいただいた上での治療となります。

CADCAM治療はこれだけ削る必要があります

まとめ

  • 冠(クラウン)のみ適応です。インレー(部分的な詰め物)には対応していません
  • 色は今販売されているCAD/CAMのブロックの中から選ぶしかありません。自分の歯の色に近づけたい、統一をしたいという思いがある場合は、「自費」(セラミック等)で治療してください。
  • 適応が決まったばかりなのでメーカーの方で「ブロック不足」がおきているようです。
  • CAD/CAMの設備を持っている歯科医院でのみ治療可能。
  • クラウン(冠)なので、自分の歯をかなり削る必要がでてきます。

すべての方にこの治療が出来るかと言うと、そうではありません。治療が可能かどうか、その方の口腔内環境、生活環境により歯科医師が医学的な視点から判断をします。また、保険を適用しての歯科治療は、金属アレルギーの有無関係なく、さまざまなメリット・デメリットがあるということをご理解いただいた上で、CADCAM治療を導入されている歯科医院の担当医とよく相談をされた上でのご判断をお願いいたします。

何度もお伝えしていますが、保険を適用する、という事はそれなりの「問題」や「制限」がかかってくるわけです。自費治療であればそういった問題や制限がなく、ご自身の納得のいく治療が最初から受けられる可能性もあるということです。

記事監修:金属アレルギー協会 専門アドバイザー  中島 博樹 歯科医師

中島歯科

「むやみに削らない」を掲げ、主訴の治療計画をたて治療し、親子で安心して通える歯科医院です。独立キッズスペース、おむつ台、トイレチャイルドシート完備です。レーザ治療器も完備。JR南武線「武蔵新城」から徒歩1分の所にあり通い易い歯科医院です。

TEL:044-750-9696

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